空き家の放置に対して、国も法律をつくり動いています。

全国に800万戸以上もあるといわれている放置空き家は、不審火や動物や虫などが住み着くなど、近隣の住民には本当に迷惑で危険なものです。治安も悪くなるし、老朽化したものは倒壊の危険さえでてきます。

2015年、国は空き家対策を本格的に取り組むため、「空き家対策特別措置法」を施行しました。それまでは、自治体が持ち主を探して指導したり、倒壊などの危険があるものには、条例を制定して対応を行ってきましたが、この法律の施行により「特定空き家」に認められた物件の持ち主には、修繕や撤去の指導や勧告、命令ができるようになりました。命令に従わない場合は強制的に撤去をし、その費用を請求できるようにもなりました。解体費用も安くないですからね。

空き家がここまで増えた理由には、固定資産税の軽減措置があります。土地の上に建物があるだけで、税金が6分の1に安くなります。このため空き家を取り壊さずに放置している人がいました。しかし、特例措置法ができたことにより、空き家に改善勧告がなされた場合、固定資産税の優遇がなくなるというふうにルールがかわりました。

また、空き家の売却についても譲渡所得税の控除を設けるなど、放置空き家を減らすルールつくりが検討されています。