祖父母の家だった空き家

私の父方の祖父母は祖父が私が19歳の時に亡くなり、更に残された父方の祖母も死んでから今年で3年になります。築50年以上たっていたため、当然ながらボロボロの家でしたし、親戚は「お金が安くて済むならそこを譲ってください」という話が来たのですが、私の両親が「いくら何でもあれでは住めない。あんただってまだ若いんだからあの家では見たら一発で拒否反応を起こす。その話には乗れないし、乗らない方があなたの為だ」と言って断り、その50年以上の家を和歌山市の解体業者に依頼して取り壊して更地にし、貸してもらっていた地主さんに返したそうです。私は孫代表(父が祖父母の長男でさらに僕が父と母の長男)でしたから私にも責任はかかってきました。だから、取り壊しにする現場にも立ち会いましたし、責任ある立場上、これからその土地に関してまだ問題が起こるのならばもはや父や母の手では処理しきれないでしょうから、私が全責任を負う事になります。だからこそ、生まれ故郷を離れられないという事情があるんです。

ただ、父が長男であることで、墓や仏壇や寺の行事といった事を全て引き受ける事と引き換えに祖父母が残したわずかな遺産は父のもとに入りました。ただ、この更地にすることでかなりのお金を払ったそうです。はっきり言って厄介なものを背負ったという事は孫である私にもわかっています。